枕飾りと一膳飯

枕飾りと一膳飯

嫌い箸のひとつ「立て箸」
亡くなった方の枕元に供えるご飯は、山盛りに盛られ、真ん中に箸を差してあります。いわゆる一膳飯の作法です。
このことから、立て箸は縁起が悪いものとされてきました。

我が家でもそうですし、レストランなどでも立て箸について子供を叱っている光景を目にすることがあります。

しかし、
本来はこの立ち箸こそが正式なご飯の出し方だったとも言われます。
そもそも正式な出し方だからこそ、仏様にも正式な出し方を。というわけです。
このことに触れる読み物は少ないので、本当のところは分かりませんが・・・。

仮に立て箸が正式なご飯の出し方だったとしても、現代では100パーセント受け入れられませんし、やはり見た目も悪いです。

お亡くなりになった方を安置する際に、枕元に枕飾りを用意します。立て箸の一膳飯もここに置かれます。

それでは、枕飾りのならわし、作法を見ていきましょう。

枕飾りは白木の小台や小台の上に白い布をかけたものを使用し、故人の枕元に配置します。
そのうえには、いわゆる三具足(みつぐそく)と呼ばれる、香炉、花瓶、燭台を置き、それぞれお香をたき、しきみを差し、ロウソクを灯します。
その他に、りん、一膳飯、湯のみに水を入れたもの、枕団子などを置きます。
茶碗、湯飲み茶碗は、生前に故人が使用していたものを用いるのが一般的です。

これらの枕飾りは、死出の旅の必需品であり、旅の食料・飲み物、道中を照らす灯り、魔よけの匂いを発するしきみ。といった具合です。

余談ではありますが、カトリック信者の祖父が亡くなった際に、葬儀は教会式で執り行いました。
カトリックでは枕飾りの習慣はありませんが、最後まで教会式での葬儀を反対していた叔父の手により、一膳飯が枕元に置かれていました。

特に若い世代を中心に、熱心な信仰を行っている方が減っているため、これらの葬儀の際のならわしや作法が、徐々に薄れていく傾向にありますね。

それを引き継ぐうえで重要な役割を果たしているのはお坊さん・・・
ではなく、実際には間違いなく葬儀社の方々です。
知識のないご遺族を、正しいならわしに導いてくれているのです。

お坊さんにももう少し頑張っていただかないと・・・。